広島ベトナム協会 ベトナムの文化
ベトナムの文化
ベトナムの祭り

日本や中国などアジアの国々と同様にベトナムにも、さまざまなフェスティバルがあります。中には日本にある祭りと良く似た形式のものもあります。そんなベトナムの祭りを簡単に紹介いたします。

旧暦について:
ベトナムの伝統的な祝祭は旧暦に基づいています。新暦は太陽暦と呼ばれ、太陽を周る地球の運動を元に決められた暦です。旧暦は太陰暦(Lunar calender)と呼ばれ、地球を回る月をもとに決められた暦です。中国やベトナムなどでは、祝祭の日取りをこのもともとから使われてきた旧暦を元に決 めているのです。

旧正月(テト): 旧暦1月1〜3日
ベトナム人にとって一番大切な行事です。そして、一年で一番華やかな彩りに包まれる祭りです。それは、テトの前3日間にわたって各町ごとに花市が建ち、普 段見られない色合いのさまざまな花が売られるからです。花市で購入した花を家に飾り、親戚を呼んでテトの間まいにちパーティーを開きます。特に親しくして る友人も呼びます。婚約者をこのパーティーに呼ぶことは正式に家族として認められるという大切な意味を持ちます。
最近の旧暦のテトは新暦では次のようになります。
「2000年:2月5〜7日、 2001年:1月24〜26、 2002年:2月12〜14日、 2003年:2月1〜3日、 2004年:1月 22〜24日、 2005年:2月9〜11日、 2006年:1月29〜31日、 2007年:2月18〜20日、 2008年:2月7〜9日、  2009年:1月26〜28日」

Le Hoi Dong Da: ドンダフェスティバル 旧暦1月5日
ハノイの北西にあるドンダの丘で行われる伝統的な祭りで、Quang Trung帝が北方の侵略者を撃退した戦いを記念して行なわれている。Tuongと いう演芸が行なわれ、女性による工芸のコンテストや、男性による人が駒になって地面に書いた盤の上を移動する中国将棋の大会などが行なわれる。12台の太 鼓で行なわれるTay Son Battle Drumsと呼ばれる太鼓の演技が有名。

Hoi Lim: リムフェスティバル 旧暦1月11〜13日
北のBac Ninh省のリム村で開かれる伝統的な祭りで、Quan Hoと呼ばれる民謡を、男性のグループと女性のグループに分かれて、競い合います。

Le Hoi Chua Huong: パヒューム(香水)寺院巡礼 旧暦1月15日〜3月31日
ハノイの北69KmにあるHuong山のふもとMy Ducで川の巡礼の道を船に乗って10万人の巡礼者が新年の幸せを祈りに洞窟に作られた寺院にやってきます。

Le Hoi Den Hung: Hung(雄王)寺院フェスティバル 旧暦3月10日
ハノイの北西60キロにある雄王を祭った廟で行なわれる。雄王はベトナムの伝説的英雄で、ベトナムの黎明期、北の山のプリンスと海のドラゴンの娘と結婚し ました。そして、100人この子供をもうけました。これを100越といいます。そして両親が離婚をしたときに、父は50人の子供を連れて海へ行きます。母 は50人尾子供とその地方に残ります。その50人の王子の中の一人が雄王になりました。祭りでは竹で作ったブランコや、伝統的な演劇、歌などが披露され る。

Le Hoi Chu Dong Tu: Chu Dong Tuフェスティバル 旧暦3月10〜12日
雄王の18番目の娘と結婚したChu Dong Tuを記念した祭り。ハノイ北東28KmにあるHung Yen省にあるChu Dong Tu寺院で行 なわれる。Chu Dong Tuが湖のほとりで裸で寝ていると、たまたま通りかかった雄王の娘が湖で水泳を始めた。そのときにChu Dong Tuが 裸で寝ていることに気づいた雄王の娘は彼に着物をプレゼントした。そのことがきっかけとなり二人は結婚した。この伝説を元にし、水上に浮かべたボートの上 に龍を乗せて演劇を行うのが、この祭りのメイン行事。女性による歌の祭りや、人間の駒の中国将棋、民謡ダンスなどのアトラクションがある。


Le Hoi Phu Dong: Phu Dongフェスティバル 旧暦4月6〜12日
ハノイ近郊赤河デルタ周辺の重要なイベントのひとつ。その昔、6番目の雄王の時代に、敵から攻められ苦戦をする雄王が救援を頼む使者を出した。そのときに たったの3歳で歩きもしゃべりも上手でなかったGiongという少年が、使者の声を聞いたとたんに、立ちあがって大きな声で「私が敵を倒すでしょう」と言 い放った。そして雄王の元へ行き剣と馬を授かり、敵の中へ分け入って、すべての侵略者たちに立ち向かい、見方を勝利へと導いた。Giong伝説を元にした 祭り。祭りではGiongの軍と敵の軍を模した人々が戦場で戦う場面が再現される。

Hoi Choi Trau Do Son: ドーソン牛祭り 旧暦8月9日
ドーソン村で行なわれる闘牛祭り。闘牛場で6頭の牛を戦わせ、勝者も敗者も闘牛の後に食べられてしまう。勝者の首は祭りの間飾り付けられ、終了後に海に捧げられる。

Ram Trung Thu: 中秋節 旧暦8月15日
先祖を敬い子孫の反映を願う秋祭り。子供の祭り。月餅(げっぺい)というケーキをどこの家庭でも購入して食べるのが習慣。中秋の名月の日。
最近の中秋節は次の通り。
「2000年9月12日、2001年10月1日、2002年9月21日、2003年9月11日、2004年9月28日、2005年9月18日、2006年10月6日、2007年9月25日、2008年9月14日、2009年10月3日」

Le Hoi Kate: Kateフェスティバル 旧暦8月末日
チャム(Cham)族とザグライ(Raglai)族の祭り。チャム族のカレンダーでは7月にあたる。南ベトナムのThuan Haiの近くにある、 Poclong-Gia Rai 遺跡の寺院で行なわれる。伝統的な演劇や民謡、ダンス、そしてレスリングの試合が行なわれる。



ベトナムの伝統工芸

 ベトナムの伝統工芸品というと、真っ先に思い当たるのは漆細工とシルクの刺繍、そしてバッチャンやソンべの陶磁器でしょうか。もちろん、伝統民族衣装のアオザイも忘れてはなりません。

 アオザイ:
 アオザイの始まりは、グエン王朝の時代に中国の清王朝の官人の朝服を簡略化したものがアオザイと呼ばれ、それが一般の人に広がったのが始まりです。その 後1930年ころにハノイの美術家たちによる服装改良運動によって、布地のパターンやカット方法を改良しシルエットを現在の形に変えました。
 アオは衣装の意味、ザイは長いを意味します。チャイニーズ風の長いジャケットに、下はゆったりとしたパンツを着用します。女子学生は白いアオザイを着 用、会社員でもアオザイを着用している女性が多く、現在の生活に定着している衣装といえます。男性用のアオザイもありますが、冠婚葬祭などで着られる程度です。

 漆工芸品:
 漆工芸はアジアに古くから伝わるものでインド、中国から伝わったもので、ベトナムでは12世紀ころに、ベトナムの北部のPhu Tho省で漆の栽培が本 格的に行われるようになりました。現在では貝殻で模様を入れる螺鈿細工が盛んに作られるようになってきましたが、デザインもアジア的なものから、現代美術の要素を取り入れたものまで作られています。

 陶磁器:
 陶磁器も古くから日本へも輸入され、安南焼きと呼ばれていた、現在のバッチャン村で製作されている陶磁器が有名です。このバッチャン焼はシンプルな手書 きの絵柄が特徴で、赤絵と呼ばれる色絵筆で花や鳥とんぼなどを描いた伝統絵柄のものや、青磁(セラドン焼き)、白磁、安南染め(白磁の釉下にコバルトで青く絵付けをしたもの)、などの種類があります。
 また、サイゴンの近郊にあるソンベ村で焼かれる陶磁器も、美しい絵柄で人気となっています。
 少数民族のチャム族にも美しい焼き物の伝統工芸があります。チャンパ時代に作られた窯で焼かれた素焼き壷ですが、ヒンズーの文化が入ったとても独特なデザインを作り上げています。


シルク刺繍について。


 刺繍という伝統的な工芸品はベトナムでは16世紀ころから本格的に生産されるようになったといわれています。中国から伝承されハノイで生産技術が確立 されたようです。チャン・ゴック・カイという人物がハノイで生産技術を確立したと記されています。その当時は、上流階級や王族がこれらの刺繍工芸品を愛用していました。

 時代は下って1940年代。バオダイ帝の母親であるホアン・ティー・クックによって、フエの都でシルクの刺繍をさかんに作るようになりました。彼女は有名な刺繍職人です。フランス植民地下で、西洋文明と、東洋の古来からある文化とを融合させて現在のような形の刺繍技術が広がりました。

 このシルク刺繍の特徴は、糸を一本ずつ自然染料で染め上げて、一糸づつ手で縫い上げて行くところにあります。ごらんになれば判りますが、糸の発色が柔ら かく自然に仕上がっています。その絵柄もベトナムの文化や風習を題材にしたものが多いのですが、最近では絵画的なものや、ベトナムの近代芸術に題材を取ったものも作られるようになってきました。
  
     
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